はさまれるげきじょう

ここ数日、まるで拷問か!と叫びたくなるほどの激務に追われ、ついにもうどうでもよくなってきた、ていうあきらめの炎がメラメラと心を支配し始めたので、ぷらりと足を動かして、新宿へ。飲み屋に立ち寄る。睡眠不足のせいで、少し焦点の定まらない頭が生み出した幻覚だろうか…、気むずかし顔をした写真家がギターを奏でながら、陽気な歌うたい、歌声喫茶か、フォークバーか、ってな空間で、居合わせたお客はキワモノ出演を切望しているAV女優と、現在ヌード写真展を開催しているモデルさんという、妄想の産物のような面々で、目の前におかれたチラシに写っているおっぱいの持ち主を両脇に、しゃがれた声のブルースをバックに夜は更けていく。いつの間にか家に帰って寝ていた朝に見た夢は、今はもう連絡すら取れなくなってしまった旧友たちと気まずい酒を飲むというもので、いったいどこからが夢だったのか、もしかしたら全部夢だったのか。でもカバンには立派なおっぱいの写ったチラシがきちんとおさまっていた。