やりきったかんだ

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サクリファイス」を見た。

見るのは30年ぶりくらい。いつか見直そうと思っていながら、ずーっと見送ってきたのだけど、こんなに家で時間がある今しかチャンスはないと、決死の覚悟で挑んだ。決死の覚悟で挑まねばとても最後まで見れる映画ではない、という印象だったけど、間違ってませんでした。なかなか強烈な睡魔に襲われます。見ることが一種の戦いです。しかし、このまどろみこそがこの映画の醍醐味なのでそれを楽しむのです。一本の枯れ木をよみがえらせようとする父子の話から始まる世界の終わりと始まりを描いた作品。窓とベッドと鏡が配置された部屋、荒涼とした湿地に佇む家、色を失った世界、作品自体が絵画のようでもあり詩のようでもある。30年前にわかりえなかった「なるほど」が発見できたかはわからないけど、とにかくやりきった感はつのった。映画が終わって暗がりの部屋を出てみると外はすさまじい雷雨になっていた。