しなやかなことば

「女性の休日」を見た。

軽やかでしなやかな革命についての映画だ。50年前のアイスランドのある1日についてのドキュメンタリー。しかし、これが今の世界にとって、とても大事なものを描いてるんじゃないかと思えるとてもても素晴らしい映画だった。「言葉」の変革が意識を変える。そして世界そのものを変えてしまうような、そんな映画だと思った。何が素晴らしいって「休日」という言葉だ。ここにものすごく大事なことが詰まってると思った。アイスランドジェンダー平等で世界をリードする国であるのはなんとなく知っていたけど、そのきっかけになったのが、この「女性の休日」と呼ばれる1日だったとこの映画で知った。その日に何が起きたのか、その日にいたるまでに何が起こったのか、これがとてもわかりやすく楽しく描かれたのがこの映画。50年前のアイスランド。この国だけに限ったことじゃないと思うけど、アイスランドもまた女性の社会的地位は虐げられていた。女性は家に入って家のことをしてろと当たり前に言われ、仕事の権限は与えられず、社会に出て仕事をしていても賃金は安く、同じ仕事をしていても給料は男より不当に安い。給料を上げてくれと言えば、お前が稼いだお金は服を買ったり贅沢につかうだけだだから金なんかいらないだろうと言われ相手にもされない。家では好きだった本を読むこともできないくらい忙しく家事に追われ、刑務所の独房に3ヵ月入ったら少しは本が読めるのになんていうほど自由はない。そこまで家で働いても、子どもが学校で書いた作文には、お母さんはずっと家にいて何もしてない、なん書かれてしまう。名前のない仕事を押しつけられる存在として扱われている。そんな状況をどうにかしたいと女性の地位を向上させるための集会が開かれる。そこで「ストライキ」をしようという話になる。しかし「ストライキ」なんて過激なことはしたくないという女性たちもたくさんいて、ここで決議を取って、多数決で決めたら、恐らく「ストライキ」が決行されただろう。ただ彼女たちはそうしない。話しあう。数の力で押し切るのではなく言葉を変える。「あななたちは、ストライキが嫌なんでしょう?なら、休日にしましょう」と言葉を書き替える。このしなやかさになんだか涙が出る思いだった。正しさを押し通すために決をとるのではなく、話し合いの中で柔軟に変えていく。「その日はお休み」って、この言葉の軽やかさが大きな力を生む。アイスランド中の女性たちが、その日を休む。みんなが休むことで、男どもだけじゃ社会が回らないことが証明される。なんてスマートで美しい革命なんだ。「私たちの怒りは美しい」と言ってる人がいたけど、本当にそうだなと思った。だって「休んだ」だけだから。大きな力を生むための小さな言葉の変換。言葉の力の大きさを感じる映画だった。

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