さゆうはきんとう

「エンパイア・オブ・ライト」を見た。
1981年の映画館を舞台にしたドラマ。映画もしくは映画館をモチーフにした映画が最近多い気がする。作中出てくる「ブルースブラザーズ」だったり「炎のランナー」だったり、ピーターセラーズの「チャンス」なんかは見たはずなんだけど全然詳細を覚えてないな、とかそれだけで気分はあがってくるんですが、とにかく画面の全部が美しくて、きっちりと、しっかりと計算され尽くした画面を見ていると、「ああ、映画を見ている」っていう喜びが溢れてくる、そんな美しい映画でもありました。ほとんど病的と言っていいほどのシンメトリックへのこだわりは、エンドクレジットの文字配置にまで行き届いていて、映画自体がひとつの様式美ですね。生きづらさを抱える中年女性と、人種差別で行き場のない青年の切ない恋愛のような依存のような儚い青春を描きつつ、やっぱりどこまでも美しい映画でありました。

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