たいせつなことは

「いつかの君にもわかること」を見た。

父と幼い息子の2人家族。父の余命はわずか。そんな2人のささやかな日常と里親候補である人たちのと面接が交互に描かれる。とても悲しい映画ではあるけど、劇的なドラマとしては描かれていない。里親候補との面接、なんでもない日常、この2つがただ淡々と描かれる。これからの息子の人生を決めるとても大事な事と、何でもない小さくて些細な日常。この映画が描いているのは何でもない日常のディテールだ。おもちゃのトラックを一生懸命お風呂で洗う。新しいパジャマを着ないですねる。ケーキに赤いろうそくだけを刺そうとする。そんな何でもない日常。なんでもない瞬間がどれだけかけがえのないものか。それを描いている。それはいわば人生で最も大切なことだ。大事なことと大切なこと、それは同じくらい価値がある。その2つが淡々と積み重なった先のラストに訪れる小さくて大きな決意に心揺さぶられる。劇場中からすすり泣く声が聞こえた。大切なことはとても小さい。それを教えてくれる映画だ。

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