はるかによかった

「THE FIRST SLAM DUNK」を見た。

いやこれ、すごい傑作と思いました。いい映画を見たというより、いい試合を見たって感想が近いかな。そんな感想を持って帰ってこれるだけで新鮮で、もう、それは傑作だと思うんですよね。映画2時間を使って一つの試合を見せる。試合の空気感をアニメでしか表現できない形で描き出す。正直、スポーツ弱者で、あまりスポーツは見ない人間で、さらにスラムダンクは連載時に読んでいたんですが、この試合の結果もどっちが勝ったのか、全く覚えていなほどのいい加減な付き合い方で…ま、それがよかったんだと思いますが、マジでこの試合どっちが勝つの?ってドキドキしながら見入っちゃいました。すごいなと思ったのは、試合の空気が変わる瞬間が分かることなんですよね。ああ、ここで流れが変わったんだっていうのが、きちんと映像で描かれている。アニメであるはずなのに試合そのものの実在感がある。見事だと思いました。井上雄彦の画がそのまま動いているような感じもすごく新鮮。原作では背景がそれほど描かれなかったいわば影の人物に焦点を当て直して、改めて同じ試合を語り直しているのもよかった。ラストの完全無音もしびれました。本来は主役であるはずの花道の見せ場に必要な要素はきちんとさりげなく物語の断片に盛り込んであるのもうまいなと思いました。正直、何の期待もしてなかったんですが、想像の遙か上の素晴らしい体験でした!

www.youtube.com