さいあくのみせだ

「ザ・メニュー」を見た。

むちゃくちゃ頭にくる映画だった。たぶん褒めている。だって、そういう映画なんだもん。頭にくる料理店の一晩を描いたコメディ。何せこの店、料金一人20万円。もしも高級店のシェフが、客嫌いだったら。ドリフだ。とにかくシェフがいばりくさっていて、従業員は完全服従で、まるで軍隊。料理はおまかせのコースのみ。最初の2品目までは、まともな料理が出る。でも3品目でおかしくなりはじめる。パンのないパンの皿。パンは出さない、それがコンセプトだと。ジャムとかパンに付けるソースだけが乗った皿。本来ならここで、パンはないけど、ジャムをなめるだけでパンを食べた以上の感動があるとか、ミスター味っ子ならそのくらいのことは絶対にするけど、このシェフはしない。20万円取って、客をもてなさない。その後も、料理はまともに提供されない。料理がおいしくなくなるパフォーマンスと、最悪のオモテナシで、ディナーは地獄絵図と化していく。史上最低のシェフ。とにかく金持ちの客が嫌い。今は落ちぶれた元ハリウッドスターに憎しみを抱いた理由が、たまたま休みの日に見に行った映画の主演が彼で、その演技がひどかったから。そのマネージャーは奨学金じゃなく親の金で大学に行ったからムカつくって、そんな理由でこんなひどいことする?っていうほど地獄のような展開になっていく。よく考えたら、外食ってこういう怖さと紙一重にあるってことだ。料理人がちょっとヘンな気を起こせば、毒を入れて全員あっという間にあの世に送ることだってできる。安心しきって、お金を払って、誰とも知らない人が作ったものを食べているけど、それ本当に安全?って問いただしてくるような映画だ。ま、しかし、本当にこの店は最低だ。志村けんのひとみばあさんのそば屋だと思って見るのがいいと思う、全然違うけど…。「ピッグ」のニコラス・ケイジを見習え!ってそういう映画だった。

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