そういうひです…

父の命日。あれから21年。もうそんなに経つのか…ということに驚く。哀悼の意を込めて朝から父の書いた本を読む。30年前に書いた本。「暗闇のレッスン」。もうこのときの父の年齢を自分は超えているのだということにも驚く。それにしてもものすごい知識量。そしてすごい観察力とそれをつむぐ編集能力の高さ。猛烈に頭のいい人だったんだな。頭が良すぎたんだろう。本当に世の中が全部バカに見えていたんだと思う。そんな日常の我慢が飲み屋で噴出して、出入り禁止の飲み屋ばかりを増やす結果につながったんだろうな。この本、西井さんの本の中では比較的読みやすい本で、当時何度か読んでものすごく影響を受けた本だった。エリ・ヴィーゼルの本を読んだきっかけも、サルガドの写真を好きになったのも、確かこの本の影響だったはず。当時はこの本もやはり難解で必死についていこうとしていたけど、30年経って改めて読むと難解さより単純に面白くて、独特の言い回しとロジックを楽しむエンタメとして楽しめた。時が経つとはそういうことなんだな。ずっと向き合えていない父の死を撮った映画があるのだけど、以前NHKで放送された時に録画したVHSを実家に置いてあるが見る気になれず、いままで一度もきちんと見ないできたのだけど、そろそろ向き合ってみようと思って、今朝amazonで買ってみた。届いてもしばらく見る気にはならないだろうけど、来年の命日にでも見てみようかと思っている。見ない気もするけど。

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