まただんちえいが

「LOVE LIFE」を見た。

団地映画でした。団地を舞台にした緩やかな地獄のような映画です。つまり大好物な映画でした。いやーこういうどこに連れて行かれるのかわからない映画、最高に好きです。結局終わってみても自分がどこにいるのかわからなくなるような…団地を舞台にした映画って、なんでこんなにも処理しきれない感情を呼び起こす映画が多いんだろう。この映画、なにがきついって前半の何気ない日常会話の中の毒だ。無神経に発せられる言葉の毒。これがどれだけ人の心を深くえぐるか。言葉はまるで呪いだ。誰かの言葉によって傷つく。他者と生きるとはそういうことだ。そして自分は自分を言葉で責め続ける。作中もっとも不幸に見える話すことのできないホームレスの男がいちばん人生を豊かに生きているように描かれていることもそれに関係しているのかもしれない。物語は序盤でとんでもないことが起きて、そこから不幸のどん底に落ちていくのだけど、とことん落ちていくだけの話ではない。どこか突き放しつつ、人生のままらなさをあっけらかんと描いている。それでも人生は続いていく。ほんと、どんな気持ちでこの感情を処理したらいいのか、とにかくこういう気持ちになるために映画を見ているんだなと、そういう映画でした。大好きな団地映画がまた増えました。

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