じみだけどひびく

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「ディア・エヴァン・ハンセン」を見た。

誰も彼を知らない。そんなクラスメイトの死。唯一の親友だと勘違いされた少年は周囲を悲しませないために嘘をついてしまう。彼は実は良き人であったと。嘘の彼がいつしか本当の彼になる。そんな小さな嘘が大きな波を巻き起こしていく。ミュージカルとして楽曲はとてもすばらしくて、曲自体の高揚感もある。ただ同時にこの嘘がいつバレるのか、常に不安を抱えた苦しい作品でもある。だから気持ちは盛り上がっていかない。物語的なハデな飛躍もない。最後まで現実的で、真摯な着地をする。ミュージカル的な高揚感で終わらせない。だから残る。そういう映画だった。

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