なんかすくわれた

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「空白」を見た。

いやいやこれは…なかなかどぎつい映画だった。徹底的に人間の見たくない部分を見せつけてくる。でもとことん落ちてる時に見たのでなんか救われた。自分の中にある得体の知れないものがまぎれて溶けた感じだ。それは怒りなのか、悲しみなのか、贖罪なのか、正義なのか、ひと言では説明できないもの、映画はそんなものが爆発する。きっかけはひとつの事故なんだけど、そのことで世界が一転する。感情の正体がつかめないだけに、何をどうすればいいのかがわからない。どうすればいいんだこれ。何に対して憎しみを向ければ良いのか、何に対して謝ればいいのか、それすらもわからない。マスコミはそれをいいように切り取って都合のいいストーリーを作って、感情を向ける先を誘導していく。このへんはこの間見た「由宇子の天秤」に通じるところがある。とにかくこれは地獄だ。関わった人たちが全員大切なものを失っていく。ただ「由宇子の天秤」と違ってラストにかすかな救いがある。ほんとにささいなことなんだけど、ちょっと泣いちゃったよ。とにかく見てる間中ぐらぐらに揺るがされた。気分が沈んでいるときは明るい映画よりこういう映画の方が救われるな。

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