どうやってみよう

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5年前に見て、その年のベストムービー!ってなるくらい刺さった映画ながら、なにがすごかったのかうまく消化しきてれなかった「ハッピーアワー」について論じている本「『ハッピーアワー』論」を朝から読んだ。5時間17分、演技経験のない演者で作られた作品。演者たちの体に染みこんだ日常の重みをそのままスクリーンに持ち込んだ作品と書かれていたけど、まさにそうで、この映画に出てくる4人の顔に実在感というか、時間と共に刻まれた年輪を感じるような作品で、虚構でありながら、登場人物に起きる予期しない変化を作り手と一緒に見守るような、そんな不思議な映画だった。一種の共犯性を感じさせる作品として心に残っていた。その制作過程や、セリフについての分析を読むことで、なるほどそう読みといていくのかという新たな発見。「演者のからだ」の抵抗、演じて恥ずかしいと思って出てしまう身体反応に沿ってシナリオを書き直したり、あえて単純化させたセリフでキャラクターに特徴付けをしていることとか、見ていても全く気がつかなかったことの多いこと多いこと。これは心してもう一度観ないといけない。なんか、ほんと、ずっと引っかかってる映画なんだよなー。まずはソフトを買わなきゃ、と思ったら品切れか…。

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