おらこんなむら〜

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ブータン 山の教室」を見た。

ああ、テレビもねー、ラジオもねー、電気もねー、水道もねー、車は生まれてこのかた見たことねーっていうブータンの辺境の村に教師として赴任することになった青年の話。ブータン、世界一幸せな国。その首都で生まれ育って、教師にはなってみたけど、まったく仕事にやる気はなくて、「外国行って、何かデケーことやりたいんすよオレは」っていう、ブータンにもこんなのがいるんだ!?って主人公。教師として赴任することになるルナナ村は、片道8日かかる場所で、バスでガサってところまで行って、そこから徒歩で山道を1週間かけて歩いて行く。途中で立ち寄る村は人口3人とか人口0人とかそういうところで、その間も主人公はずっとふてくされてる。ようやくルナナ村に着いても「やっぱ、オレ帰っていいっすか?」ってまったくやる気なし。いや、ほんとこのクソ主人公に腹が立つんだけど、村人は彼をひたすら尊敬して敬う。それは彼が教師だから。どんな人間であるかは関係ない。無条件で敬う。村人たちにとって教師という存在は「未来に触れることができる」特別な存在で、「帰る」と言われれば「残念だけどしかたない」とまた1週間かけて送り届けようとする。泣きついて引き留めたりもしない。そんな状況から彼が教師として成長していくって話なんだけど、尊敬されることから立場が生まれるというか、教師に対する信頼が教師を育てるという、そういう話だった。無条件に人を信頼するって難しいけど、幸せの国ってそういうこと?みたいなね。歩いてきた同じ道が最後は全然違うものに見えるっていうのも良い映画の条件のひとつっすね。

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