むねあつすぎた

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「メランコリック」を見た。

すごく評判がいいようで、見たいなと思っていたのだけど、小規模作品で上映館が少なく、やってる時間も少し偏っていたので、見るの大変でしたが、行ってきました。車で1時間かけて。思ったより道が混んでて、上映時間を10分過ぎて映画館に駆け込んだのだけど、セーフでした。こういうときは、イオンシネマのとてつもなく長い予告編時間に感謝したくなる。10分以上経ってるのにまだ予告やってた。で、メランコリク。おもろかったです。バイトを始めた銭湯が実は殺し屋の洗浄場で、くらいの予備知識しかなかったのだけど、びっくりするくらい面白かったです。これも予算300万くらいの映画らしい。「カメ止め」とか数年前に見た傑作「ケンとカズ」と同じくらいの規模感。映画は予算や規模じゃないね。そこがいい。熱量とアイデアと工夫でここまで面白くできる。とにかくシナリオがよくできている。見ていて何度か世界がひっくり返る。さっきまで見えていた世界が、全然違う側面を見せてきてびっくりする。のんきすぎる主人公が、いつまにか戻れないところまで行ってしまってからは、ずっとそこにいたアイツの顔つきがまた違って見えてきて、そこからの2人の関係性は最高でした。とにかく、出てくる人の顔がいいんだよね。みんな好きになっちゃう。で、終盤の車中での会話シーンで思わず涙がこぼれてきて、そこからラストまで止まらなくなってしまった。ようは、完全に気持ちをもっていかれてしまった。東大は出たけど一度もまともに働いたことがないダメダメな主人公に自分を重ねて完全に感情移入し切って見ていた。東大は出てないけどね。あれは自分だ、と思った。自分の弱いところとか、ダメなところとか、情けないところとか、何もわかってないところとか、でも誠実であろうとしているところとか、そういうのを体現したような、とにかく「わかる、わかる」しかなかったのです。涙が止まらなくなった車中のシーンは、その優しさに泣けたのもあるけど、同時にほっとしてる自分の情けなさにも泣けてきて、そこからの展開は、もう、あーた、大変でしたよ。ヒロインの女性が小学校の頃好きだった子に似てたというのも勝手にぐっとくるポイントでもありました。とにかく想像以上にもっていかれました。胸熱な映画でした。