みえているか

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「かごの中の瞳」を見た。

幼少期に事故で視力を失った妻と献身的に彼女を支える夫。妻が手術で視力を回復したことで2人の関係性が少しずつ変わっていく。冒頭、視力のない彼女を取り巻く世界の何とも幻想的なこと。まるでアート作品を見ているようなビジュアルの洪水だ。やがて視力を取り戻すと共に様々な色が世界を彩るのだが、見えることが当たり前になることで世界はすごく現実的な風景へと変わっていく。この映像の移り変わりが見事だった。そして、きわめて献身的だった夫が平凡きわまりない存在に思えてくることで、物語は一変する。なんて不条理な…。

散り椿」も見た。

役者はこの上ないほど豪華な布陣で、ゆったりした描写の中に日本の四季を感じさせ、しかも時代劇だという、これぞ「贅沢」という映画だった。ゆったりしすぎるくらいゆったりしたテンポの中に時折はさまれる殺陣シーンの歯切れ良さもまた。とにかく贅沢だ。