ゆううつか


「ティエリー・トグルドーの憂鬱」を見た。何でもない男の何でもない日常の断片がつなぎ合わされたような映画。特に物語はなく、本当にただ淡々とティエリー・トグルドーという人の日常が切り取られる。そこにあるのは、日常という名の地獄ともいえる風景だ。行き場のない絶望的な状況の中で、弱き者がさらにまた弱き者を追い詰めていく負の連鎖のような現実。安らぎを与えてくれる家族の存在すら未来を考えると悲しみの一端になってしまう。救いがなさすぎるけど、ずっと心に残りそうな、すごい映画でした。